土曜日の中野駅で学んだ不殺主義と麦酒の協奏曲

土曜日は中野駅でこなゆき君と飲んだ。場所は鳥貴族の中野南口店。私はかねてから計画している『はてなブロガー補完計画』について話した。日本に存在するはてなブロガーという生命体を全員すべて無に帰す。そして私とこなゆき君だけが存在する(電脳の)世界を二人で創り上げたいと伝えた。

こなゆきの日記

私ははてなブロガーたちが狂ったようにアマゾンプライムを紹介し、転職や漫画の記事をまとめ、呪われているかのようにnoteで収益を公開することに辟易している。

こなゆき君は困ったような顔をしつつ「それは少し過激でござる」と言った。彼は幕末の動乱以降いまだ「不殺主義」を貫いている。「この瞳に止まる人々くらいならなんとか守れるでござるよ」と言った誓いを思い出した。まるで協奏曲のように心地いい言葉だった。彼は優しい。優しすぎる。その優しさが、この殺伐とした弱肉強食の世界で仇にならないことを心の中で祈る。

中野区の夜神月と言われた私と、静岡の緋村剣心と言われたこなゆき君。決して混じり合うことのない水と油のような二人だが、新宿の路上で出会ってから妙に波長が合ったのは何故だろうか。きっと彼のすべてを包み込む様な笑顔に俺のハートがブレイクしてしまったせいなのかもしれない。罪深い人だ。

遅れて参加してきた「あるアルパカの知恵」を運営しているアルパカさんには罰ゲームとしてエイサイハラマスコイ踊りを踊ってもらった。キレが凄まじかった。最後に三人で楽しくブラックストーリーズで遊んだが、こなゆき君が「( ˘ω˘)スヤァ…」と眠そうな顔をし出したタイミングでその日は解散した。

帰り道、いつもより少し遠回りして帰った。今度は私の家で三人で「海街diary」を鑑賞して、こなゆき君には沼津で磯釣りを教えてもらおうと思った。 もしも青春を絵画で表現するとしたら、麦酒と一緒に私たちを描けばいいだろう。青春の欠片はココにある。

***

気が付くと私は布団の中だった。眠りの底から生還したようだ。妙に記憶がはっきりしているのはこなゆき君がかけた魔法だろうか。この麦酒の記憶は夢か現実なのかいまだに区別がつかないまま私は三階のアパートのベランダから星を見た。