新宿駅にいるトイレの神様と天国と地獄の体験談

都心のターミナル駅「新宿」。欲望渦巻くホストやキャバクラなど水商売から、新宿の高層ビルで働いているサラリーマン、雑居ビルから一攫千金を狙う経営者、日本観光で歌舞伎町を訪れる外国人など一日で三百万人が利用する日本を代表する駅だ。

行きかう人々の中には体調不良の人もいる。腹痛という名の死神から、極楽浄土に導いてくれるのがトイレだ。軽視されがちだが、観光名所や飲食店よりもプレミアムな価値があると思っている。

新宿駅から一番近いトイレ10選 - ブログはおっかねーぞ!

営業職であれば外出が多いため、各駅の空き状況やホームからの距離などトイレ事情をインプットするのは必須スキル。私は主要駅周辺の電源スポット、トイレに関しては日本トップクラスの知識をもっていたが、老いてしまったため最新事情は知らない。麒麟老いては駄馬に劣る。

時効なので白状するが十年前に品川駅で死にそうになった経験がある。通勤時間帯の品川駅は地獄だ。満員電車に揺られ、通勤途中の品川駅で題名のない音楽が鳴り出した。さながら交響曲第5番「運命」。

品川駅は利用者数と駅トイレの規模が全く合っていないため毎日参勤交代かと思うほどの行列が発生する。時限爆弾がセットされている私の前には数多の人間が…。あのとき、私は前に並んでいる人間を全員殺そうかと思った。ギャグではなく、かなり真剣に。

殺人罪で捕まって人生を棒に振るか、ウンコを漏らして人間として終わるかの究極の二択を迫られた。あのときどうしたかは記憶の海から消えてしまったが、刑務所にいないことを考えると奇蹟が起きたようだ。

それ以降、品川駅のトイレは絶対に利用しないと決めた。耐えに耐え忍んで隣の大崎駅に移動したほうが早い。あれは品川駅の初心者を惑わすブービートラップであり、一向に行列が解消されない無間地獄と言えるだろう。

今は一昔前と比較して便利な時代になっており、「トイレ情報共有マップくん」というアプリが最寄りのトイレを教えてくれる。緊急時に備えてダウンロードすることを強くお勧めする。

ちなみに関西のターミナル駅新大阪駅』のトイレにはよくお世話になったものだ。一番奥の和式トイレを「マルコ」と呼んで愛用していた。新大阪駅はとても空いていて便利な便器だった。

昔、トイレの神様というドラマがあった。トイレには女神がいて、若い女性が懸命にトイレ掃除をするという温かいヒューマンドラマらしい。品川駅には女神どころか、冥府へ誘う死神がいるので注意してほしい。

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駅のトイレは人生の縮図だ。天国と地獄の両方が顔を並べている。人生で大切なことはすべてトイレ掃除から学んだ。明日は久しぶりにトイレ掃除をしようと思う。