30代男性が振り返る中学校の図書室の話

中学校時代はそれなりに広く蔵書も多かった図書室を一度も図書室を活用しなかった。特徴は太平洋の近くにある丘の上に立っていた学校の最上階である図書室からは海が一望できることだった。私は3年間運動部に所属しており、放課後は毎日部活動だった。

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学校では読書部という部があり、その部員が図書室の本の貸出や返却など管理も兼務していた。しかし、放課後でしか運営していないため必然的に借りる機会がなかったのだ。3年の2月まで部活動があったので放課後をゆったりできたのは最後の数週間だけだった。

品揃えは魅力的ではなかったのも事実。話題の本は乙武洋匡さんの『五体不満足』くらいだった。かなり昔に購入したであろう歴史や文学本の数々は、多感な中学生の男子の心を動かす本は少なかった。

中学3年になってライトノベル小説(ライトノベルというジャンルを知ったのは十年後くらい)にハマったというか、アニメを見ていた影響もあり『スレイヤーズ神坂一)』だけは読んだ。共通の趣味があり、本を貸してくれた旧友に感謝である。それ以外は基本は漫画しか読んでいなかった。

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『読書は人生を豊かにする』なんてカッコいいことを言うつもりはない。ただ『読書ができる』というのは裕福なことであり、贅沢なことであることを当時の私は知らなかった。

もしも過去に戻れるなら彼女と一緒にのんびり図書室デートをしたかった。もっと活用していればよかったといまさながら後悔している。あの図書室はまだ存在しているのだろうか。絶景が見られる図書室には永遠に訪れる機会がないことが少し悲しい。